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人口減に悩む自治体の「団塊世代」の獲得合戦が
本格化

就業支援・住居斡旋・体験ツアーなどで、田舎暮らしの魅力をアピール

わが国では1947年から49年に生まれた「団塊の世代」の定年退職が2007年から始まる。戦後の経済復興期に成長し、高度経済成長期には日本の産業を支える中心的な労働力ときた彼ら約680万人の定年退職にともなって大きな経済的インパクトが予想されている。約15兆円の経済効果が期待される一方、その豊富な経験や技術が確実に継承されていくか危ぶむ見方もあり、「団塊の世代の退職」には政府や産業界など、各方面から注目が集まっている。

大量の定年退職者が生まれる状況は、人口減・過疎化に悩む地方自治体にとっても地域再生の千載一遇のチャンス。高度経済成長期に地方の多くの若者が就職のために大都市部に流入した結果、地方の農産漁村地域は人口の大幅な減少により、地域社会の基礎的生活条件の確保にも支障をきたすような、いわゆる過疎問題が発生している。「高齢化と過疎化」は、ほぼ全ての地方自治体が直面している問題であり、とりわけ過疎地では、農業など第一次産業の「担い手」の圧倒的不足に頭を悩ませているのだ。

そこで各自治体は、団塊世代の地元への定住や滞在を促す独自の施策を打ち出し、退職者獲得作戦に乗り出した。多くの調査から、東京、大阪などの大都市圏で暮らしてきた"団塊世代"の約3割が、退職後の「田舎暮らし」「ふるさと回帰」を希望していることが明らかとなっている。過疎化に悩む自治体のニーズと、退職予定者の願望がマッチし、団塊世代の獲得合戦が始まった。ここでは主に農業など第一次産業の担い手としての団塊世代の獲得に策をめぐらす自治体の取り組みを紹介しよう。

「第二の人生は、こちらで過ごしませんか?」

北海道昨年夏、団塊の世代をターゲットとして「北の大地移住促進事業」を立ち上げた北海道は、道内76市町村と協力して「就農支援」の体制を整備するとともに、各市町村には北海道移住についての相談窓口を開設した。東京、大阪にも窓口を設け、就農セミナーを東京で6回、大阪で9回開催し、その都度就農相談会も行った。「就農支援」体制として不可欠なのは「技術指導」「農地や住宅の斡旋」「立ち上げ資金の援助」などだが、この点で道のパートナーとなる市町村の連携が重要な役割を果たす。また、旅行会社に委託して3泊4日から、最長30日までの滞在が可能な「移住体験ツアー」を実施した。ツアー参加者からのモニタリングを基に、広大な土地を"ウリ"にした、受け入れ体制の更なる整備と移住促進の戦略検討を行う。

「北の大地」が広大な土地活用でアピールするのに対して、温暖な気候・暮らしやすさなどをアピールするのは南国の宮崎県や高知県。宮崎県は約4000万円を投じて都市生活者のふるさと誘致の活動に取り組む。受け入れ環境としての各市町村の実情や体験プログラムを県庁のホームページで紹介するほか、交流や移住に関するシンポジウムを開く。温暖な気候、恵まれた自然、安い物価など、同県の「住みやすさ指標」を他県の居住者によく理解してもらい「短期滞在」から、都市部と田舎の「ニ地域居住型滞在」、そして最終的に「移住」に至るプロセスを想定したプログラムだ。

宮崎県・高知県・鳥取県・福井県高知県ではインターネット上で、新規就農希望者のための「高知県新田舎ビジネススクール」を開講した。従来の学校という形式にこだわらず、都会生活 者が現在の仕事を続けながら受講し、営農に必要な知識・技術を身につけ、農業経営のノウハウを学べるシステム、いわば通信制の農業学校である。希望者には現地での農業実習として、週末などを利用した3日間のスクーリングが年7回行われ、農業機械の操作・野菜の収穫・農家訪問などを実地経験する。また県では、「定年退職者村」の設立も検討している。

福井県、鳥取県、長崎県など、日本海側の各県も、団塊世代の退職者の誘致に懸命だ。農業・漁業などの「担い手不足」に悩む福井県は「定住促進総合サイト」から「あなたの田舎に立候補します」というキャッチフレーズで他県からの移住を促している。新規就農支援のための受け入れ体制の整備は他の府県と同様だが、「男女とも全国2位の長寿県」として、地元での生活の健康との関連性を強くアピールするのが特徴的。

鳥取県は生活体験を通して地元の農林水産業や伝統工芸の魅力を県外の居住者に知ってもらうことを重視し、「とっとり生活体験事業」に取り組む。計画では県外の居住者で農山漁村に定住したいという希望を持つ人に、産業体験や滞在先などを斡旋するとともに、滞在経費を助成する。助成対象には「農山漁村に1か月以上滞在する方」などの条件があるものの、体験滞在1年目で月額10万円(同伴家族は1人につき月額3万円)の助成金が支給される。

長崎県長崎県は約1億円の予算を投じて5か年計画「ながさき田舎暮らし総合プロモーション事業」を立ち上げる。計画では、県内各地の「モデル自治体」を指定、各自治体が実施する「田舎暮らし体験ツアー」や定住者のための住居整備・土地借り上げにかかる費用を県が援助する。県の担当者によると、事業の初年度にあたる今年は、「まずは長崎県の魅力や就業情報、住宅情報、市町での支援策などを知ってもらうことが優先課題」とし、ホームページやメルマガでの情報発信や、大都市部でのフォーラム開催を盛んに行う。

「もう一つの住まいの場所を持ちませんか?」

大都会圏からは比較的遠隔地であるこれらの自治体の取り組みで共通するのは、第二の人生として「当県への移住・定住」を呼びかけること。これに対し、大都市圏からアクセスしやすい府県では「週末滞在」も視野に入れた田舎暮らしを勧めている。例えば千葉県、群馬県、栃木県、大阪府、愛知県などでも同様な取り組みを行っており、大都市住民の「ニ地域居住・週末農業のための短・長期の滞在」などによる受け入れも推し進めようとしている。

長野県・福島県そのような「ニ地域居住」を推進するべく積極的に取り組んでいる代表的なモデルは福島県。同県は本年から「ふくしま定住・ニ地域居住拡大プロジェクト」を発足させ、県内への移転・定住とともに、都市部の居住者が週末だけ地方での暮らしを楽しめるよう、「ニ地域居住」の支援を行う。具体的には、プロジェクトに参加するいくつかの市町村と連携し、各地域に「就農支援」の受け入れ体制として「就農サポーター」を配置している。大都会生活者への、農業技術や地域の生活習慣の理解を促して、「ニ地域居住・週末農業」への定着を推し進めようとするもの。このほど都内にもニ地域居住や田舎暮らしの相談窓口として「福島県ふるさと回帰支援センター」をオープンした。

長野県は昨年、Iターンして農業を始めたいという希望者に向けて「新規就農里親制度」を発足させた。農業未経験者の就農を積極的に支援しようとするベテラン農家を県内各地域から募集、県によって厳選されたベテラン農家や農業団体が「里親農業者」として登録される。「就農希望」といっても「どの地域で、どのような農業をしたいか、経験ゼロか否か」など、希望者の状況は多様であるため、県は希望内容に応じて、適切な受け入れ先(里親)を斡旋しなければならない。「里親」は就農希望者を受け入れ、栽培技術指導や就農に必要な農地の確保などの独立を支援、更に就農後の相談などで力を貸す。就農希望者がどの地域でどのような農業をしたいかなどについての細かい相談には、県が任命した4人の専門コーディネーターが窓口として対応する。

団塊の世代の受け入れに各自治体はいま、あの手、この手を模索している。

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