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団塊世代の退職による消費経済波及効果は
総額15兆3233億円に

-電通が調査結果を発表

日本の最大の広告会社である「電通」は今年3月、団塊世代の退職にともなう消費経済効果について調査結果を発表した。発表によると、退職前、退職後の直接的な消費押し上げ規模は7兆7762億円に達し、さらにこの消費押し上げ効果はさまざまな部品調達や物流、建設などのB to B的な経済活動を通じて、中期的にはその約2倍の約15兆3233億円の生産を最終的には誘発すると予想している。

団塊世代の消費動向に注目が集まるのは、この世代が突出して人数が多く生産と消費の両サイドにわたって日本の経済構造に大きな影響を与えてきており、いっせいに退職年齢にさしかかる際の消費動向が日本企業の今後にとって大きな影響を与えるからである。米国ではベビーブーマーといわれる人々は1946年から1964年に生まれた人を指すが、日本では1947年から1949年までの3年間に生まれた680万の人々を指し、割合では全人口の5%を超えている。この3年間の出生率(当年の出生数/前年の人口)は3.3~3.5%と際立った高さであった(アメリカのベビーブーマーの出生率は2%から2.5%程度)。団塊世代は、高度経済成長を支えた日本株式会社の企業戦士であり、大量消費時代の先頭を走ってきた。また、その価値観は前世代よりも個人や私生活を重視し、デジタル・スキルが高く、グローバル志向が高いとされている。

今回、電通が発表した団塊の世代の退職に伴う直接の消費7兆7762億円のうちもっとも金額が大きいのは別荘購入や住み替え、リフォームなどの不動産関連の4兆924億円である。また、退職を契機とする旅行では海外旅行の人気が高く9804億円で、国内旅行の1357億円とあわせると1兆1160億円と見積もられている。さらに注目されるのが趣味や学習関係である。退職準備期に学習・に費やす2699億円と退職後の2440億円の合計で5139億円、さらに趣味に費やす6826億円を合わせると1兆1965億円に上る数字となる。このうち海外留学が1037億円を占めていることがこの世代の特徴を示している。総額4040億円となる高額商品の購入では車やバイクの買い替え需要がその大部分で3230億円である。金融商品の購入の分野では総額6755億円で、その中心は5963億円の株式や投資信託などによる資産運用である。

退職団塊世代の消費7兆7762億円およびそれに付随する部品調達や物流などをあわせた約15兆3233億円という規模は、日本のGDPが約500兆円なので、団塊世代のリタイア期間が5年間続くとして1年当たりのGDP引き上げ効果は約0.6%となると電通は説明している。ちなみに、国内個人消費は約300兆円である。

今回の電通による発表は首都圏に在住の団塊世代へのインターネット利用のアンケート調査にもとづいて推計されている。このため、都市型のライフスタイルをとっている比較的安定した生活をしている人への偏りは避けられないだろう。また、団塊世代の退職に伴うビジネススーツの売り上げ減など消費の減少も予測されるがそのような点は考慮されていないことも留意しておく必要がある。

以上の推計は団塊世代対象のしかも数年間に限定されているものだが、同じ電通では2000年に50歳以上の消費支出を総合的に分析した「シニアマーケット規模全体推計」を発表している。ここでは、単純に世帯支出を基本値とするのではなく世帯構成員一人あたりの消費支出を合計してそこから全体規模を推計したとしている。以下の表によって消費の重点が高齢者層によるものに移っていくことが見て取れる。

50歳以上のシニアマーケット規模の全体推計

年齢 2000年 2015年
予測値 推計値
50歳以上 85.8兆円 127.2兆円
50歳~64歳 51.2兆円 67.1兆円
65歳以上 34.6兆円 60.1兆円

また、以下の表は65歳以上の高齢者についてとくに伸び率が大きいと推定されているものの一覧である。インターネット・電子メールの普及、住宅設備修繕費の増、余暇時間の充実、介護サービスの拡大、余暇の積極利用、生活支援サービス拡大などが背景として説明されている。

65歳以上の高齢者における消費項目別推計

  2000年予測値 2015年推計値
情報通信 1.1兆円 2.4兆円
不動産・住宅設備 2.2兆円 4.9兆円
出版 0.7兆円 1.4兆円
教育・医療サービス 2.5兆円 5.3兆円
自動車・関連品 0.9兆円 1.9兆円
趣味・スポーツ用品 0.5兆円 1.0兆円
外食・各種サービス 2.1兆円 4.0兆円

以上の電通による発表については、ベースとなる調査においてそのサンプルの抽出において無作為性に問題があること、および経済動向による変動も大きいと予想されることから、実際の数字が変動する可能性も高いが、大きなシニアマーケットが存在すること自体は事実である。しかし新規参入する企業も多く、必ずしも競争の少ないマーケットではない。

各コンサルティング会社では、本業の延長線でビジネスを設計するべきであること、これからの高齢者層は決して一律の存在ではなく非常に多様な価値観を持っている層であることに留意が必要なこと、シニアの消費行動は信頼性を重視することに留意が必要であること、商品がシニア向けであることをうたうのが有利であるとは限らないことなどを提言している。

(資料)
March 30, 2006
Dentsu Announces Appropriation of Revaluation Loss on Securities and Additional Contributions to Employee Retirement Benefit Trust
http://www.dentsu.com/news/2006/20060210330.html

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